どんな役割や仕事を保健師は担うのか

地域保健の専門家

保健師と聞いてどんな仕事をイメージしますか？健康相談を受けてくれる人？行政の仕事をしている人？どれも正解です。もっと正確にいえば、保健師は地域の人々が健康に過ごすための支援を行う地域保健の専門家です。健康診断や家庭訪問などを通じて、健康指導を行っています。高齢化が進む日本では、医療の専門化も進んでいます。同時に、患者の社会的・心理的支援や生活への配慮も求められており、医療を円滑に提供するための橋渡し役として、保健師は重要な役割を担いますよ。

健康管理の専門家

保健師は全世代の健康問題を支援する専門家でもあります。WHOでは、健康の定義を「身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病のない状態や病弱でないことではない」としています。近年は人々が抱える健康問題が複雑化しているため、保健師に求められる役割も多岐に渡っていますよ。生活習慣病はもちろんのこと、メンタルヘルスや健康格差などの課題に対して、あらゆる角度からアプローチしていきます。
保健師ができることとして挙げられるのは、「地域住民や地域全体の健康状態を改善するための支援」「地域の健康に関する課題を解決するための施策の立案・実行」「地域の健康に関する課題を解決するために必要なリソースの確保」の3つです。個人だけでなく、地域社会全体の課題に対してアプローチしていくことで、すべての人が健康に過ごせるような仕組み作りをしていくんですね。

重要性が増している

保健師と近い職業として挙げられるのが、看護師です。看護師は患者にとって身近な存在であり、健康管理や家族へのケアを行う点については保健師と共通しています。しかし、保健師は患者の治療を行うだけでなく、健康な人が病気や怪我をしないように予防することも仕事に含まれるんですね。個人の問題にとらわれず地域全体に関わる健康課題に取り組む点も、看護師とは異なる点として挙げられます。健康に関する課題を解決するためには、行政への働きかけも必要になってきますよ。
保健師は医療従事者として幅広い医療知識が求められます。それをもとに患者の生活の支援や関係機関との調整、家族へのケアなどを行いますが、この幅広さがチーム医療における保健師の強みといえます。全国にある医療機関では、退院後の療養生活や在宅医療などの支援において、保健師が橋渡し役となって活躍していますよ。長期的な視点に立って人々の健康を守る保健師は、高齢化が進む日本においてますます重要視されています。生活習慣病予防という点においても、保健師の存在は必要不可欠ですね。